オレゴン州の平地にそびえ立つ独立峰、マウント・バチェラーは、遠方からでも雄大な山容を楽しませてくれる。富士山を思わせる優美なシルエットだ。山の上半分は森林限界を超えており、ゲレンデ上部は白銀一色、360度にわたり何ひとつさえぎるもののない痛快なオープンバーン。トップは2764m、ボトムでも1738mの高所にあるので、真夏でも滑走できる。
 風が強いことで知られるこの山では、山頂部のリフトがストップしてしまうこともしばしば。しかしこの風が乾いた雪を豊富に降らせるため、パウダーの質が高いことでも有名だ。強い風の吹いた翌日は、中間〜ボトムの森林帯を滑れば、風の力で吹き込んだパウダーをたっぷりと味わえる。
 ベースとなる山麓の街・ベンドのハイウェイ沿いには、良心的な価格のモーテルが多数あり宿泊は安心。またデニーズなどのレストランやエスニック料理のおいしい店も。車に乗るなら路面凍結にご用心。


 ビギナーからエキスパートまでまんべんなく楽しませてくれる、懐の深いコースバリエーション。オリンピックのメイン会場に選ばれるだけあり、とにかくスケールが大きいので、日本のゲレンデのように人ごみを縫って滑るなんてわずらわしさはゼロ。一人ひとり、すべてのスノーボーダーにゆとりの滑走ステージが用意されている。
 起伏に富んだ山岳の地形をそのまま生かしたコースが全83本。パークシティの雄大さをしっかりかみしめたいなら、標高3048mのゲレンデトップ・ジュピターボウルから9kmの超ロングダウンヒルがおすすめ。山頂域には未圧雪のパウダーが。またゴンドラ終点からでもボトムまで6kmの一気滑りが可能だ。豪快なシュプールを描くもよし、ロッキーの50マイルビューを見渡しながらのんびり滑り、途中で気ままにお茶を飲むのもよし。FIS大会もさかんに開催されるハーフパイプにもぜひトライしたい。


 完全な独立峰のマウント・バチェラー。きれいな二等辺三角形をしたこの山では、ピークに登ればゲレンデ全体が一望のもとに見渡せるので、じっくり品定めして好きなコースを選ぼう。ピークからはすべてのコースへ接続でき、わずか13本のリフトが全70コースを効率よく結んでいる。標高差1026mのビッグゲレンデは、ピークに近いエリアほど斜面がきつくなる地形。向かって左側は強い風にさらされて締まった雪、右側にはサラサラの吹きだまりが多い。ハイスピードでカービングを楽しみたければトップ部の左側、軽めの雪で気ままに飛びたいときはボトムの右側というように、お好みしだいでさまざまな滑りが可能だ。上級者向きコースが全体の60%を占めるハイレベルなゲレンデは、慣れたスノーボーダー・スキーヤーたちがすさまじいスピードで滑降していくが、テクニックによほどの自信がなければ、つられて飛ばし過ぎないように。

DATA
●シーズン 11月上旬〜5月下旬
●標高 1738m〜2764m
●標高差 1026m
●コース数 70コース
●斜面構成 初級15% 中級25% 上級60%
●リフト&ゴンドラ リフト13本
●アクセス ポートランドから車で約400km
●その他 ハーフパイプ・テレインパークあり
●お問合せ 0541-382-2442 or 800-829-2442

オレゴンの雄大な自然の真っ只中。良質のパウダースノーがみれる
スキー場の上部は森林限界を超えた一面の大雪原スロープ
中・上級者主体の手ごろなレイアウト
ボトムのリフト乗り場からマウントバチェラーを目指す
演奏的な夕暮れ風景にたたずむ、サンリバーリゾートのロッジ群