マッターホルンのイタリア名はモンテ・チェルビーノ。ここから名前をいただいたチェルビニアは、マッターホルン山頂を境にスイスのツェルマットと背中合わせに南北の斜面を分け合っている。その地の利を生かし、スイス国境を越える日帰りツアーもさかんだ。テオドールパスを越え、アルプス山麓に広がる大雪原を滑走するスケールの大きなツアーは、天候さえよければレベルを問わず楽しめる。マッターホルンとモンテローザを左右に眺めながら街まで約13kmのクルージングは痛快。ただし途中のフルッグからはコース幅が狭まるので、初級者は無理せずロープウェイを利用して。


 チェルビニアから標高3488mのゲレンデトップ、プラト・ローザへは、ロープウェイとゴンドラを3本乗り継いでアプローチ。男性的なたくましさをたたえたマッターホルンの眺望を楽しみながら、オープン&ワイドなダウンヒルを快適に駆ける。
 900m余りのスロープを下った先は、いくつものコースが合流し、大勢の人で賑わうゲレンデの中心、プラン・メゾンだ。ここからアプローチできるコースは緩斜面が多く、初級者にはおすすめ。プラン・メゾンは何本ものリフトやゴンドラの起点になっているので、気軽に多彩なコースを滑り分けることができる。好みのコースを見つけたら、繰り返し滑るのもひとつの楽しみ方だ。中・上級者なら、チーメ・ビアンケより上のコースにトライしよう。なかでもプラト・ローザから右手へ滑走するベンティーナコースは、さえぎるものが何もない白銀一色の中斜面で、日本では決して味わえないヨーロッパアルプスのスケールの大きさを体感できる。
 プラン・メゾンからベースのチェルビニアまでは、コースが2本に分かれる。上級者はケーブルに沿ってカービングを楽しめばいいし、中・初級者はその右側を大きく迂回してマイペースの滑りを満喫しよう。いずれのコースも明るく開け、広大な山岳パノラマを一望できる。いっぽう、プラト・ローザからさらに奥へと分け入れば、そこには広大な氷河のゲレンデが展開している。降雪後なら、サラサラのパウダー天国だ。そのままスイス側へ下ればツェルマットの街まで滑ることもできる。
スノーボードの国際大会もしばしば開かれるチェルビニアのゲレンデ


DATA
●シーズン オールシーズン
●標高 2050m〜3488m
●最長滑走距離 22km
●総滑走距離80km 
●標高差 1438m
●斜面構成 初級23% 中級56% 上級21%
●リフト&ゴンドラ トラム4本 ゴンドラ3本 チェアリフト11本 J/Tバー16本
●アクセス ミラノ・ジュネーヴから車で約3時間
●その他 ヘリ観光あり
●お問合せ ツーリストオフィス 0166-94-90-86

おすすめツアー情報

いたるところからマッターホルンの雄姿が眺められるチェルビニアの町
オープン&ワイドなピステ。もちろんオフピステやパウダーもたっぷり楽しめる
整備の行き届いたワイドなピステ。滑りは縦横無人に思いのままだ
ケーブル、チェアー、Tバーなど30機近いリフトを備え、機動力は抜群
イタリア料理はグルメのあこがれ。スイスからも国境を越えてファンが集まる