フランスのスノーリゾートといえば、筆頭に挙がるのがシャモニー。リゾートとしての歴史は18世紀に始まり、第1回冬季オリンピックの開催地でもある。ヨーロッパアルプスの最高峰、標高4807mのモンブランの山ふところに抱かれ、針のように鋭く点へ突き出す岩塊群に囲まれたここは、スノースポーツはもちろんアルピニズムの聖地ともいわれる憧れのリゾートだ。
 シャモニーと総称される一帯には、ブレバン、ロニオン・グランモンテ、フレジェール、ル・トゥールバルム、レズーシュと、それぞれに個性的な5つのスノーエリアが同居している。これだけでも滑りきれないほどの充実ぶりだが、シャモニーのスケールはもっともっと大きい。スイス・イタリアと国境を接する位置にあるため、両国のゲレンデへも容易に日帰りツアーに出かけられるのだ。またシャモニーでぜひ体験したいのが氷河ツアー。ここへ来てオフピステのパウダーを楽しまないのは損というものだ。山岳ガイドを頼んで、醍醐味を満喫しよう。


 5つのスノーエリアを、共通パスで利用できるシャモニーバスが結ぶ。ゲレンデのトップは最低でも2000m近く、ピークは2000〜4000m級だ。極上のスロープが楽しめる一方で危険もつきまとうので、各ゲレンデの地形をよく把握し、自分のレベルに合った滑走エリアを見定めよう。
 ハイライトのひとつ氷河ツアーを楽しむなら、一番人気のグランモンテへ。トップの標高3275mはシャモニーの中では最高だ。アルジャンテール氷河から連なる氷河ゾーンは、上級者オンリー。クレバスや雪崩など危険箇所も多いが、圧雪整備ゼロのオフピステは、日本では味わえない興奮と感動をくれる。このエリアでは、アプローチ途中で経由するロニオンも併せて楽しもう。
 氷河ツアーといえば、モンブラン直下に展開するバレ・ブランシュ大氷河だ。展望台など必要ないほど眺望の素晴らしい標高3842mのトップから、全長22kmを超えるロングクルージング。周囲には雲海に浮かぶ4000m級のアルプスの峰々と、剣山のような岩山群。クレバスや氷柱が自然のままにばらまかれ、スノースポーツ本来のワイルドさを満喫できる。
 フレジェールは中斜面を中心とし、ロング滑走が楽しめるゲレンデ。グランジョラスの北壁やメールドグラス氷河の眺望なら、ここがベストポジションだ。
 ベースタウンから唯一交通機関を使わずにアプローチできるのが、ブレヴァン。中間部のプランプラまでは中・上級者向きのコース、ここより下にはビギナーでもこなせる緩斜面が広がる。
 初級者やファミリー、のんびり滑りを楽しみたい人には、ル・トゥールがおすすめ。牧草地を利用した快適な中斜面が果てなく広がっている。

DATA
●シーズン 12月上旬〜4月下旬 
●標高 1035m〜3840m 
●標高差 2805m 
●最長滑走距離 24km(オフピステを含む) 
●斜面構成 初級25% 中級30% 上級30% エキスパート15% 
●リフト&ゴンドラ ロープウェイ4本 ゴンドラキャビン6本 クワッドリフト10本 ペア6本 Tバー20本 
●リフト券 2日間から13日間まで有効なスキーパスを発行。モンブラン山群に点在する13のスキー場のリフトおよびシャトルバスが利用できる(ただしロニオン〜グランモンテのゴンドラを除く)。また3日以上のスキーパスを購入すれば、イタリアのクールマイユールとバルベニのリフトも利用できる(ただしイタリアへのバス代は別途必要) 
●その他 スノーボード&モノスキー、テレマーク、クロスカントリー、スケート、パラグライダー、雪上スクーター、観光ヘリコプターあり。各種用具のレンタルあり。
●アクセス リヨン空港から車で220km ジュネーブ空港から車で80km
●お問合せ ツーリストオフィス 0(33)50-53-00-24

ヨーロッパの最高峰モンブランのいただきが美しいブレバンスキー場
バレブランシュ氷河滑降の入り口エニュー・ド・ミディーより
全長22km広大無辺のバレ・ブランシュ氷河コースを滑り降りる
氷塊せまりだしたセラック地帯(バレ・ブランシュ氷河コース)
アルプスのパノラマが360℃にわたって展開する、グランモンテ山頂の展望レストラン
抜群の雪室で人気の高いグランモンテ。麓のアルジャンテールからロープウェイがかかっている